多機能腕時計の種類(トゥールビヨン)
機械式時計の弱点は、重力がゼンマイ部分に与える影響です。
それを解消し時計の精度を向上させることが機械式時計にとって重要になります。
トゥールビヨン
トゥールビヨンとはフランス語で渦を表します。姿勢を変える事で、機械式時計は一部の構造全体を回転させています。姿勢によるゼンマイのズレをキャンセルする機構を採用した時計をトゥールビヨンと呼ばれています。
部品の数が増え、各部品を軽く高精度に作る必要があります。微妙な調整が必要となり組み立てにも高い技術が必要です。その技術者は1980年代においても世界で10人しかいないと言われていました。
1本の制作に長い時間がかるため非常に高額で、価格は700万円を下回る事はありませんでした。しかし2000年以降は、生産技術の発展により量産が可能となり1本10万円未満での入手が可能となったのです。
またコストダウンの進んだトゥールビヨンも現れ、多様化が進んでいます。
トゥールビヨンの歴史
1801年 永久カレンダーの開発者でもあるブレゲがトゥールビヨンの特許を取得しています。
その時代はまだ腕時計が登場しておらず、姿勢差によるズレは少ないものでした。
トゥールビヨン・レギュレータ機構図
1801年 フランス政府から「トゥールビヨン・レギュレーター機構図」が特許認可を受けます。
1930年 トゥールビヨンが始めて腕時計に搭載されます。
1947年 1948年 オメガ、パテック・フィリップが相次いで商品開発を行います。
1983年 時計ブランドとしての【ブレゲ】がトゥールビヨンの復活を行いました。
近年において、トゥールビヨンで有名なブランドは、ブレゲ、ジラールペルゴ、ブランパン等の高級ブランドです。
トゥールビヨンの魅力
正しい時間を確認するだけなら、現代では様々な場所に時計が設置されています。
トゥールビヨンには実用的なメリットは全くないと言えるでしょう。しかし、正しい時間を刻むために開発されたトゥールビヨンの魅力は、時を刻む事だけではありません。
トゥールビヨンキャリッジ
トゥールビヨンの魅力は、その美しさにあります。キャリッジの回転と、ゼンマイの規則正しい動きはとても美しいです。
【ものづくり文化展2015】最優秀賞 上山孔司様の作品「トゥールビヨン3.1」
フライングトゥールビヨン
キャリッジが美しく見えるように工夫されたものです。文字盤側のブリッジをなくしたものもあります。
「ロジェ フライングダブルトゥールビヨン」トゥールビヨンを鑑賞するためだけの品と言っても間違いではないでしょう。
トゥールビヨン買取り
ブレゲの超複雑機構トゥールビヨンは非常に高額なので、買取りも非常に高額で取引されています。
また、買取りを行う事が出来ない買取り店もありますが、時計専門の買取り店だからこそ、トゥールビヨンの買取りを得意とする店も存在します。売却をお考えの方は、ぜひ慎重に買取り店をお選び下さい。