多機能腕時計の種類(クロノグラフ)
高級腕時計には、様々な複雑機能を持つ多機能腕時計があります。
そして、その価値は小さな腕時計に搭載された、複雑な機能にあるのです。
クロノグラフ
ストップウォッチ機能がついている時計をいいます。多機能時計の入門編とも言える時計です。1822年にフランスの時計師により発明されました。機械式のクロノグラフは非常に複雑なつくりとなっています。
そのため、自社設計生産する会社は数が少なく、専門とするメーカーから機会を購入し利用しています。
通常のクロノグラフの動作
スタート → ストップ → リセット を繰り返すのが一連の操作となっています。
自動巻きクロノグラフ
自動巻きの機構もクロノグラフの機構も、空間の占有率が非常に大きいです。そのため、これらを併用した「自動巻き型腕時計クロノグラフ」の設計・製造は不可能と言われた品です。しかし、1969年に4社による共同開発により、不可能を可能にしたのです。
1969年発売 セイコーのキャリバー6139
スプリットセコンド・クロノグラフ
ストップウォッチ用の針が2本ある事が特徴です。中間タイムの計測なども行える特殊なクロノグラフになっています。
動作
スタート → 2本の針が同時動きだします。
ストップ → 針の一つが止まるがもう一つは動き続ける。
ストップ →動き続けている針も停止する。
ロンジン フランシロン スプリットセコンド クロノグラフ
フライバック・クロノグラフ
外観的には、通常のクロノグラフと変わりありません。違いは、その動作にあります。
稼働中のクロノグラフに、リセットボタンを使う事で針の位置をリセットします。
これにより反復的な操作を繰り返す最中の時間計測を可能としています。
動作
スタート → リセット(繰り返し可能) → ストップ の三段階です。
プレゲ タイプXX
クロノグラフ使用の注意
クロノグラフの操作は一気に奥まで押し込むことが必要です。ゆっくりとした動きや、中途半端に押すことで、歯車に無理がかかるため歯が欠け変形してしまいます。そのことが故障の原因となるために十分に注意してください。
アナログ式のクロノグラフを長時間作動させるためには、十分な動力が必要です。クォーツ式では長時間の作動を保証していません。それだけでなく、カタログに一日の使用制限が記載されている事も多いです。
機械式のクロノグラフの場合は、ゼンマイを充分に巻かれていない状態で長時間作動させると、時計自体が途中で止まる可能性がああります。ストップウォッチを作動させるときは、手巻きでゼンマイを巻き上げた方が良いでしょう。